政党政治の迷走ぶりは戦前から変わらぬ

今日は、だいぶ時間がとれたので、書棚の肥やしになっていた『頭山満言志録』を読んでみた。漢文や漢文調の文章が多く、漢文力の衰えている身にはつらかったが、それ以外は割とテンポが良かったので、一日で読了できた。
戦前の政府要人の逸話などが載っており、なかなか面白かったが、以下の内容などは、現代日本と引き比べると身につまされるところがある。この一世紀というもの日本の政治は大して進歩していないというべきか。

政党内閣なんていふものも、今では昔話になりかゝつてゐるが、一廉人民の為めになるばしのごと吹聴して来たものだが、見玉へ、誰れが人民の為めになることをしたか。皆んな党利党勢で、己れ等が党派の地盤ばかりしか考へては居らぬ。それで後から内閣を取つたものは、必らず前の内閣のやつたことを覆へしてしまひよる。そしてそれを一廉の手柄ぱなしのごと吹聴しよるテ。見られたものぢやありません。*1

本筋とは関係ないが、こういう本が、短期間で重版されていたことには感心した。

*1:頭山満頭山満言志録』 書肆心水 2006年6月20日 初版第2刷