リデル・ハートの日本軍評【1】

前の日記で書いた「世界史の名将たち」には、計6人の名将が紹介されていて、この中でアジア人はチンギス・ハーンと、その部将だったスブタイのみが取りあげられている。そういうわけで日本人は、この本には取りあげられていないのだが、チンギス・ハーンとスブタイについて書かれた章で、多少論述されている。
そこでは、「先ず最初に、それはヨーロッパ人のみが、ただ軍事的才能があるという幻影を雲散霧消させる。日本は、私たちに勇気があり、規律に富んだ軍隊が東方から来ることが可能であることを。私たちに思いださせた。しかし、モンゴル軍の戦役は、アジアはまた、戦略的な能力において、歴史上有数の能力を持つ、完成された軍隊指導者を生み出していたことを解明する」と述べられており、20世紀前半のヨーロッパにおいて、日本の軍事的成功が「軍事的に弱いアジア人」という偏見に衝撃を与えたことをうかがわせる。

以下英語原文:
In the first place, it dissipates the illusion that Europe alone is the home of military genius. The Japanese have reminded us that courageous and disciplined fighting troops can come from the Orient, but the Mongol campaigns reveal to us that Asia has also produced consummate military leaders who in strategical ability may vie with any in history.*1

*1:DA CAPO社、B.H.Liddel Hart『GREAT CAPTAINS UNVEILD』